ダービー慕情
いよいよ明日は競馬の祭典日本ダービーです。
ダービーは特別なレースと言われていますが、昔は私はそうは思っていませんでした。
競馬を覚えたての大学生から社会人のはじめのころはクラシックレースの体系もあまりわかっておらず、GIレースだけど他の重賞と賞金以外何が違うのと思っていたり、秋の天皇賞からJC、有馬記念へと続く長距離古馬路線から競馬を見始めた影響で、古馬と3歳(当時は4歳表記)の違いもよく理解していなかったのです。
最初に見た生で見た日本ダービーは、剛腕郷原騎手が乗ったウイナーズサークルが勝った第56回。2着は菅原泰夫騎乗のリアルバースデー。枠連1-7 1810円を的中した覚えがあります。
以来26年間、毎年欠かさずダービーの馬券を買い続け、ほとんどを府中競馬場で観戦しています。一度だけ生観戦してないのは、先輩の結婚式と重なってしまった1995年、タヤスツヨシの勝った年だけ。あとは全部府中のスタンドで声を張り上げていました。
もともと穴党なので、能力がそのまま発揮されるダービーは荒れる要素が少なく馬券で儲かった記憶はあまりありません。フサイチコンコルドが勝ったときの単勝、デーブブリランテ-フェノーメノで決まったときの馬単くらいが大きく儲かった思い出で、あとは名馬の誕生を目の当たりにしつつ、馬券では大負けという悲しい歴史に彩られているというのが私のダービーです。
ダービーが特別なレースだと思い始めたのは、第60回1993年のウイニングチケットが勝ったあたりからでしょうか? ベテランの柴田政人騎手が「ダービーを勝ったら騎手をやめてもいい」というぐらい熱望しているダービーをこの目で見て、ダービーに対する思い入れの度合いが変わった気がします。
皐月賞で脚を余して負けたウイニングチケットの前が、4コーナーですぅーっと開いてヴィクトリーロードが生まれ、抜け出したときは本当に鳥肌が立ちました。
「政人おめでとう!」
ロマン派だった私は、人情味たっぷりに柴田政人に賭け、永遠のライバル岡部幸雄騎乗のビワハヤヒデの追撃を振り切って1着でゴールした瞬間、腰が抜けそうなくらい絶叫していましたねぇ。いゃあ懐かしいです。
ちょうどその頃、大学時代の仲間とやっていたPOGが本格化して、デビュー前の2歳馬たちの情報を集めたり、血統や調教など生産現場の知識も増えていったのも大きく、すべてのホースマンがダービーを目指してサラブレッドを生産している頂点のレースであることが自分の中でも、明確になって、特別なレースだと意識するようになっていきました。だからその頃は、ダービーデイにはスーツにネクタイという正装で競馬場に行っていた時期でもあるんです。今から考えると変なこだわりですね。
ちなみにPOGでは、過去に2度ダービー馬を指名しています。ディープブリランテとキズナ。前者はパカパカファームが好きだったので。後者は東日本大震災の後、キズナという名をつける以上、相当な自信があるに違いないと思ったからでした。
共同馬主で出資している馬がダービーに出走したのは2012年のアルフレード(13着)。やっぱり名誉なことですから、勝ち目が薄いと思ってもつい単勝を買ってしまいます。
今年はアダムスブリッジが出資馬として出走します。良血ひしめくキャロットクラブから唯一ダービーの切符を手にした幸運を生かして、強敵に一矢報いてくれないかとひそかに期待しています。
天気が心配ですが、明日は府中にて、きっちり応援させてもらいますぜ。
それでは。そのまま、そのまま!